Windows 11でリカバリドライブを使う方法:ステップバイステップガイド

Windows 11でリカバリドライブを使うのは、システムが不調になったときの心強い味方です。たとえばシステムのクラッシュや、なかなか解決しないしつこいエラーが出たときなどです。普通のトラブルシューティングでは直らないジグザグした不具合も、リカバリドライブがあれば安心。これは、Windows外から修復ツールにアクセスできる起動可能なUSBメモリのことで、まるで緊急救命キットのような存在です。ただし、いざ使おうとすると、スムーズにいかないことも。特に、パソコンに詳しくない場合や、USBからの起動を拒むPCでは戸惑うこともあります。そこで、このガイドでは基本的な手順のほか、うまくいかないときの対策も紹介します。チェックリストとして活用して、少しでも時間と頭痛を減らせる手助けになれば幸いです。

Windows 11でリカバリドライブを使う方法

リカバリドライブを挿入して起動する

まずは、リカバリ用のUSBを空いているUSBポートに差し込みます。このときはパソコンの電源を切っておきましょう。電源オンの状態で差し込むと、USBが認識されない場合があります。その後、PCを再起動します。起動中にBIOS/UEFI設定画面に入るには、多くの場合、F12ESCDELキーのいずれかを押します。多くのシステムでは、F8F11も試せますが、これはあくまでブートオプションやリカバリーの選択用です。目指すのは、USBから優先して起動させる設定にすること。これは自動ではなく、BIOS/UEFIの設定画面で変更が必要なこともあります。BIOSやUEFIに不慣れな場合は、起動中にF2Deleteを押して設定画面に入るのが一般的です。設定画面に入ったら、ブート順序ブート優先順位を探し、USBデバイスを最上位に移動させましょう。

トラブルシュートの選択

USBからリカバリ環境に入ると、少し時間がかかる場合もありますが、Windowsのリカバリメニューが表示されます。ここからトラブルシューティングを選びます。これはリカバリドライブの真骨頂で、実際にはWindowsの最小環境を外部に呼び出して、リセットや復元、スタートアップの修復などのオプションを選べる場所です。うまくいけば、普通にWindowsが起動しなくなるのではなく、このメニューにたどり着きます。ただし、最初は表示されないこともあり、その場合は何度か試してみてください。焦らず、USBが壊れているわけではないので、何度か挑戦を続けましょう。

修復ツールの使用

いよいよ本番です。トラブルシューティング画面では、このPCをリセットする詳細オプション、または自動修復などの選択肢が表示されます。まずはスタートアップ修復を試すといいでしょう。普通にWindowsを修復できる可能性があります。もしこれで解決しない場合は、以前に作った復元ポイントがあればシステムの復元も有効ですし、思い切ってリセットに進むことも選択肢です。より詳しい操作にはコマンドプロンプトを開く方法もあります。特定のコマンド、たとえば`chkdsk /f /r`(ドライブのエラーを修復)や`bootrec /fixmbr`(マスターブートレコードの修復)などを入力して、詳細な修正を行います。ただし、コマンド操作にはリスクも伴うため、不慣れな場合は事前に調べてから実行してください。

画面の指示に従って作業を完了させる

修復方法や設定を選んだら、画面に表示される指示に従って操作を続けましょう。操作は意外と簡単なこともあれば、少し煩わしいこともあります。メッセージに従い、必要に応じて再起動を繰り返しながら進めてください。うまくいけば、普通のWindowsに戻り、エラーや不調も修正されるはずです。完了後に「リカバリ成功」や「修復完了」などのメッセージが出れば成功です。しかし、もしうまくいかない場合は、別の修復方法を試したり、新たにリカバリドライブを作成したりする必要があります。Windowsはいつも完璧に修復してくれるわけではないため、事前にバックアップや新しいリカバリメディアを用意しておくのも賢明です。

Windows 11のリカバリドライブを使うコツ

  • リカバリドライブは常に最新の状態に保ち、大きなアップデート後には再作成を検討しましょう。Windows側もそれを期待していますし、安心です。
  • 複数のリカバリドライブを作成している場合は、わかりやすくラベリングしましょう。間違って別のPC用を使ってしまうと逆効果です。
  • できるだけ安全な場所に保管しましょう。たとえば引き出しや耐火金庫の中などです。USBは単なる記録媒体以上の、災害時のバックアップ手段ですから。
  • 定期的に動作確認を兼ねて、USBから起動してみると安心です。実際に使える状態かを確認しておきましょう。いざというときに使えなくては意味がありませんから。
  • 念には念を入れて、各PCごとにリカバリドライブを作成しておくと安心です。ハードウェアやBIOSの設定が異なることもあるので、システムごとに準備しておきましょう。

よくある質問

リカバリドライブって何?

Windowsの修復ツールや回復機能を詰め込んだUSBメモリです。システムが起動しなくなったときの緊急救援セットのようなものです。

1つのリカバリドライブで複数のPCを使いまわしできる?

基本的には不可です。各PCに適したドライバやシステムファイルが含まれているため、機種ごとに作るのが安全です。

リカバリドライブはどのくらいの頻度で更新すればいい?

大きなWindowsのアップデートや新しいドライバをインストールしたときに更新しましょう。定期的に作り直すのもおすすめです。古い状態のドライブだと、最新の修復に対応できなくなる場合もあります。

作ったリカバリドライブが動かないときはどうしたらいい?

まずは別のUSBメモリに再作成してみてください。USB自体に問題がある場合もあります。また、クラウドバックアップも検討しましょう。どうしてもダメならサポートに相談です。すべての問題がUSBだけで解決できるわけではありません。

これはシステム復元と同じですか?

違います。リカバリドライブはWindowsの修復や再インストールに使うツールボックスですが、システム復元はシステムファイルや設定を以前の状態に戻す仕組みです。似ているようで別の機能です。

まとめ

  • リカバリUSBを空いているUSBポートに差し込む
  • ブートメニューやBIOS設定からUSBから起動させる
  • 「トラブルシュート」を選ぶ
  • 必要な修復ツールを使う
  • 画面の指示に従って修復やリセットを完了させる

おわりに

リカバリドライブはちょっと地味だけど、今や欠かせない存在です。Windows 11がトラブルを起こしたときに、素早く復旧できる「緊急カード」のようなもの。設定しておけば、「いつか使う日」が訪れても慌てずに済みます。こまめにアップデートして安全に保管し、たまに動作確認も忘れずに。最悪の場合でも、これがあればほぼ最小限のトラブルで済むことも。何かの役に立てば幸いです。