Windows 11でノートパソコンのファンをオフにするのは、絶え間ないファーという音を静かにしたり、ハードウェアの不調を解決しようとしたりする時に一時的には効果的に思えるかもしれません。でも、簡単にスイッチ一つでできるわけではありません。特に手動で制御しようとすると、いくつか壁にぶつかることも。Windowsは基本的に温度センサーをもとにファンを自動管理しているため、手動でいじると過熱のリスクも伴います。とはいえ、騒音が我慢できない、あるいは試してみたい場合は、電源設定の調整やBIOSのアップデート、サードパーティ製のファン制御ソフトを使うことで、操作の幅が広がります。ただし、その際はリスクも理解した上で行いましょう。目的は、システムの過熱を防ぎつつ、できるだけ静かに運用することです。
Windows 11でノートパソコンのファンを停止させる方法
電源オプションにアクセスして電源プランを変更する
まずは、設定(こちらからクリックも可能です)を開き、システム→電源とバッテリーに進みます。そこから、追加の電源設定を選択しましょう(この項目は右側や一番下にあります)。これでコントロールパネルの従来の電源オプションが表示されます。パソコンメーカーによっては独自の電源プロファイルが追加されている場合もあるので、バランス(推奨)に切り替えたり、自分でカスタムプランを作成して細かく調整したりしましょう。CPUのクロックを落とす、もしくは システム冷却ポリシーを パッシブ(受動的)に設定することで、ファンの動きを抑えることも可能です。これは、ファンを回す前にCPUをゆっくり冷やすことを優先させる設定です。特に一部の環境では、この設定だけでもファンの頻度が減ることがあります。
ただし、これはあくまでアイドリング時や軽負荷時の話。ゲームや重作業時には効果が薄かったり、逆にブレーキをかけてパフォーマンスに影響することもあります。
詳細な電源設定を変更してファンの挙動をコントロール
次に、設定済みの電源プランの横の プラン設定の変更をクリックし、続いて 詳細な電源設定の変更を選びます。開いた項目の中から、プロセッサの電源管理→システム冷却ポリシーを選択し、それを パッシブに設定します。これにより、ファンを回す前にCPUの温度を下げる方向にシステムが動く仕組みです。
この設定は、パソコンがアイドルまたは軽負荷のときに働きます。モデルによってはあまり効果が感じられない場合もありますし、高パフォーマンスモデルではこの調整が効きにくいことも。しばらく様子を見て、どの程度効いているか確認しましょう。Windowsは意外と設定の切り替えを嫌がることもありますので、時には予期せぬ動作になることも覚えておいてください。
サードパーティのファンコントロールソフトを活用する
もっと直接操作したい場合は、Winhanceや、SpeedFan、HWMonitorなどのソフトが役立ちます。これらはシステムのセンサー情報を読み取り、ファンの速度を手動で調整できるツールです。Windows自体は「ファンを完全停止させる」ようなことは想定していません。たとえばSpeedFanをインストールするときは、ドライバーの許可や管理者権限の認証が必要になることも。インストール後は、ファンのRPMやコントロールレベルを最低に設定できますが、その分温度には細心の注意を払いましょう。中には制御ソフトと相性が悪く、うまく動作しないケースや、設定してもすぐにファンが復帰してしまうこともあります。常に温度監視ソフトを併用し、CPUやGPUの温度を定期的に確認してください。
ファンコントロールソフト内での設定調整
ソフトを開き、ファン曲線や手動制御のオプションを探します。SpeedFanなら、ファンチャンネルやプロファイルのカスタマイズが必要な場合も。HWMonitorはデータ表示だけなので、専用の制御ソフトやマザーボードメーカーのツールを使うと良いでしょう。ファン速度を下げすぎると、静かさと冷却のバランスが崩れやすくなります。特に一部のノートパソコンでは、ファンをゼロまで落とすと温度上昇によるサーマルサードリングや警告が出る場合もあります。CPU温度が80°Cを超えたら、すぐにファンを回し始めるなど、適切な温度管理が必要です。ノイズと冷却のバランス調整は意外に難しく、全てのモデルが完全にコントロールできるわけではありません。慎重に設定しましょう。
温度の常時監視は絶対に欠かせない
これは最も重要なポイントです。HWInfoやHWMonitorなどの温度監視ソフトを常に起動しておき、温度の状態を確認しましょう。ファンを止めたつもりでも、センサーの情報と実際の動きにズレがあることも。たとえば、CPUが85°Cに達した瞬間に一気にファンが猛加速してうるさくなることもあります。逆に、ファンを無効にしたまま放置してしまうと、ほぼ10分もしないうちに過熱でシャットダウンしてしまうことも。やはり、長時間80°C超えを避けるのが賢明です。何度も調整と監視を繰り返しながら、自分の環境に合った設定を見つけてくださいね。
総じて、ノートパソコンのファン活動を抑えるには、微妙なバランス感覚が必要です。電源プランの微調整とソフトウェアの併用が近道になることも。でも最後に、温度管理をおろそかにしないことが最も大切。パソコンの健康を保つためには、熱に注意しながら使うことが基本です。なお、BIOSのアップデートによって冷却制御が改善される場合もありますので、定期的にメーカーのサポートページをチェックしましょう。Windowsの仕様変更や設定の煩雑さは仕方ない部分もありますが、少し手間をかけて最適な状態を目指しましょう。