Windows 11でコンピュータをドメインに参加させる作業は技術的に難しいわけではありませんが、初めてやると少し不安に感じるかもしれません。たとえば、職場のPCを企業のネットワークに接続したり、プリンターやファイル共有などのリソースをシームレスに使えるように設定したりする場合です。どんな理由でも、手順さえ覚えればそんなに難しくありません。ただし、管理者権限が必要なことと、Windowsの再起動や設定適用に少し時間がかかることを念頭に置いてください。基本的にはスムーズに進みますが、ネットワークの問題やドメイン名の入力ミスなど、まれにトラブルが起きることもあるので、確認しながら進めると安心です。
Windows 11でドメインに参加する方法
方法1:設定から簡単に行う方法
こちらが一般的なやり方で、多くの場合これでOKです。Windowsにはこの操作に便利なインターフェースが備わっているため、メニューの道筋に慣れれば操作は簡単です。途中でWindowsが何度か再起動を促すこともありますが、ネットワークポリシーや資格情報の更新のためです。中には最後の方でドメイン管理者の認証情報を求められる場合もあるので、あらかじめ用意しておくとスムーズです。また、入力したドメイン名や認証情報が間違っていると接続できません。都度確認して正しく入力しましょう。
- 管理者権限を持つアカウントでWindows 11にログインします。これがないと設定画面は進めません。
- スタートメニューから設定を開くか、Windows + Iキーを押します。
- アカウントを選択します。
- サイドバーの職場または学校にアクセスをクリックします。
- 接続ボタンを押します。ポップアップが出たら、このデバイスをローカルのActive Directoryドメインに参加させる(または「ドメイン」だけの場合もあります)を選びます。
- ドメイン名(例:contoso.com)を入力します。これはネットワーク管理者から提供されるはずです。指示に従い、管理者のユーザー名とパスワードも入力します。
- 正しく進めば、Windowsが再起動を促します。再起動後、PCはドメインに参加しています。
方法2:コマンドラインを使う上級者向けの方法
GUI(設定画面)がうまく動かない場合や、スクリプトで一括設定したい場合は、PowerShellやコマンドプロンプトを使ってドメインに参加させることも可能です。コマンドに自信がある方やリモートで大量のPC設定を行いたい場合に便利です。
- 管理者権限でPowerShellを開きます。スタートメニューからPowerShellを検索し、右クリックして管理者として実行を選びます。
- 次のコマンドを入力します:
Add-Computer -DomainName "yourdomain.com" -Credential (Get-Credential)
※「yourdomain.com」を実際のドメイン名に置き換えます。実行後、認証情報の入力を求められるので、管理者のユーザー名とパスワードを入力してください。 - 完了したら、次のコマンドを実行します:
Restart-Computer
これでPCが再起動し、自動的にドメイン参加の設定が適用されます。
こちらの方法は、GUIがうまくいかない場合や複数のPCを一気に設定したいときに便利です。スクリプトを使えば効率も良く、信頼性も向上します。
押さえておきたいポイント
「参加」ボタンを押す前に、入力したドメイン名に誤りがないかどうかを必ず確認しましょう。タイプミスで失敗する原因です。また、PCがドメインコントローラーがあるネットワークに正しく接続されていることも重要です。Wi-Fiやネットワークが不安定だったり、オフライン状態だと失敗します。管理者の資格情報もあらかじめ用意しておくと、作業がスムーズです。最後に、再起動のタイミングでWindowsが変更内容を正式に適用しますので、その間も慌てずに待ちましょう。
よくある質問と注意点
ドメインって何ですか?
複数のコンピュータが共通のデータベースやルールのもとで管理される仕組みのことです。例えるなら、大きな会社や学校の中で、コンピュータが共有される“クラブ”のようなものです。
インターネットに接続している必要がありますか?
基本的には必要です。ドメインコントローラーと通信するためには、インターネットやイントラネット上のサーバーにアクセスする必要があります。ただし、すでに同じLAN内にいて、ネットワークが安定していれば問題ない場合もあります。
後からドメインを外すことはできますか?
はい、設定のアカウントから職場または学校にアクセスに進み、該当のドメイン接続を解除すればOKです。再起動が必要です。
ドメイン名を間違えたらどうなりますか?
接続できずエラーになります。スペルや大文字・小文字も含めて正確に入力しましょう。時には余分な空白も問題です。
再起動はいつ必要ですか?
ほとんどの場合、再起動が必要です。Windowsは再起動時にドメインの設定を確実に反映しますので、面倒でも行いましょう。
まとめ
- 管理者アカウントでログインする
- 「設定」から「アカウント」を開く
- 「職場または学校にアクセス」を選ぶ
- 「接続」をクリック
- ドメイン情報を入力して案内に従う
- 必要なら再起動する
結びの言葉
ドメインへの参加は少し面倒に感じるかもしれませんが、手順に従い、落ち着いて進めれば意外と簡単です。よくあるトラブルはタイポやネットワークの問題、管理者権限の不足などです。一度設定すれば、共有リソースやポリシー、管理ツールを活用でき、業務の効率化につながります。もしつまずいたら、もう一度手順を振り返って、ネットワーク接続を確認し、必要なら再起動や設定の見直しをしましょう。少しのコツさえつかめば、思ったより簡単にできるはずです。