Windows 11でのBIOS更新は、少し敷居が高く感じるかもしれませんが、実際は手順を守ればそんなに難しくありません。BIOSのアップデートは、ハードウェアの互換性を改善したり、パフォーマンスを向上させたり、時にはありがちなバグ修正にも役立ちます。ただし、途中で電源を切ったり手順を省略したりするとトラブルの原因になるため、慎重さが肝心です。
Windows 11でのBIOS更新方法
最新のBIOSをインストールする作業は面倒に感じるかもしれませんが、正しい情報と少しの忍耐さえあれば意外と簡単です。一般的には、次のような流れになります:
ステップ1:マザーボードのモデルを確認する
まずは、自分のマザーボードが何かを確認しましょう。間違ったファームウェアをフラッシュすると取り返しがつかなくなるためです。確認方法は、スタートメニューを開き、msinfo32
と入力してEnter。表示されたシステム情報ウィンドウ内の「BaseBoard Product」の欄を見てください。それがあなたのマザーボードのモデル名です。時には、起動時にBIOS内やマニュアルにも情報が記載されています。
一部の環境では、正しく表示されない場合もあります。その場合は、マザーボードメーカーのサポートツール(MSIのDragon CenterやASUSのArmoury Crateなど)を使って調べるのも効果的です。
ステップ2:メーカーの公式サイトへアクセス
次に、マザーボードメーカーの公式ページへ行きましょう。ASUS、MSI、GigaByteなどです。サポートやドライバーダウンロードセクションから、自分のモデル番号を入力します。通常、「最新のBIOS」やそれに類似した表記のバージョンが見つかります。
ポイント:マザーボードの正確なモデルに合ったBIOSを選ぶことが重要です。ダウンロードしたファイルはデスクトップや専用フォルダーに保存しておくと後々楽です。
便利なリンク例はこちら:
ステップ3:BIOSファイルとツールをダウンロード
一部のメーカーは専用のBIOS書き込みツール(例:ASUSのEZ FlashやGigaByteのQ-Flash)を提供しています。他には、Windows上から操作できるユーティリティもあります。特に安心して使えるのは、Windows用のツールです。また、USBメモリから直接BIOSを書き換える方法もありますが、面倒な手順になることが多いため、メーカーが提供するユーティリティを使うのがおすすめです。
ツールを提供されている場合は、それをダウンロードしてインストールしましょう。多くの場合、実行ファイル(.exe)やZIPアーカイブに入ったファイルを解凍して使います。説明書も併せて確認し、圧縮ファイルから展開して使う場合もあるので、事前に内容を把握しておくと良いでしょう。
ステップ4:大事なデータのバックアップ
BIOSのアップデートは基本的には安全ですが、念のため重要なデータをバックアップしておくと安心です。外付けドライブやクラウドストレージに保存するのがおすすめです。また、念のため現在のBIOSバージョンも確認しておきましょう(システム情報からチェック可能です)。これにより、更新後に比較することもできます。
ステップ5:BIOSの更新を実行
次に、メーカーの指示に従って作業します。一般的には、Windows上のユーティリティを起動し、更新したいBIOSファイルを選択して「更新」ボタンを押します。この際、PCの電源が落ちないようにし、他の操作は避けてください。場合によっては、更新中に再起動してBIOS設定画面に進み、完了させる必要があります。
例として、ASUSのEZ Flashを使う場合は、PCを再起動して、F2キーやDelキーを押してBIOS設定に入ります。次に、「Tool」メニューから「EZ Flash」を選び、事前にダウンロードしておいたBIOSファイルをUSBやデスクトップから選択します。一部の設定では初めて成功しない場合もあるため、その場合は再起動して再度挑戦します。何度も失敗したら、しばらく間を置いて再トライしてください。
他のシステムでは、Windows上のユーティリティを起動して、「次へ」をクリックしながら進めれば完了です。進行状況を示すバーや「BIOSを書き込み中」などのメッセージが表示されることもあります。作業中に電源を切ったり、予期せぬ中断をしないよう注意しましょう。システムは自動的に再起動します。
Windows 11でBIOSを安全に更新するためのポイント
- リリースノートを必ず読むこと。修正された不具合や追加された機能が役立つ場合もあります。
- ノートパソコンを使っている場合は、必ず電源に接続しましょう。電力の不安定な状態での更新は、ブリック(起動不能状態)になるリスクがあります。
- Wi-Fiや不安定なネットワーク経由でのダウンロードや更新操作は避けましょう。ダウンロード途中の中断はトラブルのもとです。
- BIOSファイルのチェックサム(ハッシュ値)も確認し、不正や破損がないかを確かめましょう。PowerShellやコマンドプロンプトで
CertUtil -hashfile ファイル名 SHA256
コマンドを使えば確認できます。 - もし戸惑ったら、メーカーのFAQやフォーラムを参照してください。新しいBIOSが原因でバグや不具合が出る可能性もありますので、事前に情報収集しておくと安心です。
よくある質問
BIOSとは何ですか?そしてなぜ更新が必要なのですか?
BIOSは、PCの電源を入れたときにハードウェアを起動させる基本ソフトのようなものです。これを更新することで、不具合の修正や安定性の向上、新しいハードウェアへの対応が可能になります。いわば、マザーボードのソフトウェアを最新に保つイメージです。
自分のPCはBIOSの更新が必要かどうか判別するには?
マザーボードメーカーの公式ページに掲載されている最新バージョンと、自分のWindowsのシステム情報から確認した現在のバージョンを比較します。もし、最新のバージョンが自分のバージョンより新しい場合や、動作に問題があったり新機能を使いたい場合は、アップデートを検討してください。
BIOSの更新は危険ですか?
手順を誤るとリスクはあります。特に、更新中に電源が落ちると最悪の場合マザーボードが使えなくなることも。だからこそ、電源の安定や事前のバックアップが重要です。ただ、正しい方法と手順に従えば、安全にアップデートできます。
メーカーのツールを使わずにBIOSを更新することは可能ですか?
一部のマザーボードは、BIOSセットアップ画面からUSBメモリなどを使って直接更新できる場合もありますが、公式のユーティリティを使う方が確実で安全です。
更新にかかる時間はどれくらいですか?
通常、数分から15分程度です。大型のアップデートだともう少し時間がかかることもあります。焦らず待ちましょう。
まとめ
- マザーボードのモデルを確認する
- メーカーの公式サイトにアクセスする
- 適切なBIOSバージョンをダウンロード
- 念のため重要なデータをバックアップ
- ツールや手順に従ってBIOSを書き換える
結びに
BIOSのアップデートは、PCのメンテナンスにおいてあまり楽しい作業ではありませんが、重要な作業です。少しだけ注意すれば怖くありません。手順を守り、急がずに丁寧に進めることがポイントです。バックアップを取るだけでもトラブル防止になりますし、新しいハードウェアを追加したり、異常な挙動を感じたりしたときには、定期的なファームウェアの更新を検討しましょう。
この記事がお役に立てば幸いです。成功させて、トラブルにならないよう祈っています!